第66回NHK杯(糸谷八段vs菅井七段)の感想 - 将棋のブログ

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第66回NHK杯(糸谷八段vs菅井七段)の感想

7月17日に放送された第66回NHK杯1回戦(糸谷哲郎八段vs菅井竜也七段)は、135手で糸谷哲郎八段が勝ちました。

棋譜は下記の公式サイトでご覧ください。(月曜日に更新されます)

NHK杯テレビ将棋トーナメント


<感想>
解説の井上九段が話していた通り、本局は1回戦屈指の好カード。

序盤は糸谷八段先手の横歩取り。後手の菅井七段はやはり、52玉+72銀型でした。

今年度になって、中継されている対局の2回に1回はその形ではないのかと思うほど、頻繁に見かけます。

しかし、中盤以降は横歩取りなのに持久戦模様になっていて、菅井七段は右玉、糸谷八段は風車に似た布陣の力戦形。

67手では糸谷八段の地下鉄飛車が実現して、その辺りから番組を見た人は、まさかこの対局が横歩取りだったとは想像もつかなかったかもしれません。

指し手の速さはいつもの糸谷流で、菅井七段が指し終わったかと思いきや、即座に着手していたのは毎度お馴染み。感想戦も早送りになっているのかと思うくらい、すごいスピードで指し手が進んでいました。

さて、100手目の局面。菅井七段が果敢に攻めて盛り返し、後手もやれそうな雰囲気になっていました。

しかし、手元の激指14は菅井七段が100手△6五歩と指した瞬間にゲージが少しだけブレて先手優勢。

「そうは言っても、激指が示す96桂なんて。いくらプロでもせっかく作った地下鉄飛車の狙い筋を遮る場所に桂馬を打つのだろうか。しかも、直前まで小競り合っていた地点とは全く別の場所。」そう思いながら観ていました。

私の疑念をよそに、糸谷八段は駒台の桂馬をつかみ、パシンと▲9六桂!

その瞬間、解説の井上九段も「はー、これは見えない手でしたねー。」と感心した様子。

やはり元A級棋士でも見えていなかったほどの一手で、さすがは竜王を獲った棋士。感想戦では第一勘だったと涼しい口調で語っていました。

その一手で形勢はハッキリして、完全に糸谷八段ペース。

菅井七段の猛追を際どく交わして、最後は後手玉を即詰みに討ち取り対局終了。

▲9六桂も好手ですが、128手の先手玉詰めろの局面で変に受けるのではなく、即詰みで決めるところも、素人にとってはプロの強さを実感する瞬間だったりもします。

本局は横歩取りでしたが、中盤では別の力戦形に変わり、どうやって仕掛けていくのか中盤の攻防がとても見応えのある将棋でした。

菅井七段が1回戦で負けたのは、勿体無い気もしました。


<コンピュータの形勢判断>
NHK杯 糸谷八段vs菅井七段 形勢評価グラフ
※青色は激指14七段+、赤色はGPS将棋
※コンピュータの判断が正しいわけではありません。



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コメント
非公開コメント

糸谷先生は、大抵第一感ですかま、こんな手まで、第一感てまは、たまりませんね

2016-07-18 12:11 │ from かみさん

Re:

101手▲9六桂が第一感とはすご過ぎですよね。

2016-07-18 14:58 │ from 阪田

No title

最近、横歩取りの対局が多い気がしていました。52玉+72銀型が多いのでしたか。個人的には41玉型の中原囲いが好みですが、これは少ない傾向みたいですね。

先手の中盤の56金の辺りは手厚くて良さそうに見えました。下の方が空いていて大丈夫かとも思いましたが、最下段は隅っこの飛車が効いているので、バランスはとれているのかも知れません。96桂はアマが打つと、一見叱られそうな筋です。

菅井七段の寄せもあと一歩足りなかった様子。両者とも瞬時にそこまで読んでいるのは、やはりプロの力でしょうか。
それにしても、糸谷八段の指し手は早かったですね。ではまた。

2016-07-19 00:01 │ from 金田正太郎

Re:

確かに中盤の先手陣は下がスカスカで、大丈夫だろうかという感じでしたね。もともと右玉などの違和感のある形を得意にしていたので、あれでバランスを保てるのが糸谷八段独特の感覚なのでしょうね。

2016-07-19 14:59 │ from 阪田

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