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こういう電王戦を観たかった

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電王戦への期待は人それぞれで、観る人の「人生観」「将棋観」「どちらに勝ってほしいのか」などによって違うと思いますし、その感想も「リアルタイムで観たのか」「タイムシフトで観たのか」「結果を知って観たのか」「結果だけを知ったのか」などによっても、更に変わってくると思います。

自分自身がどういう電王戦を観たかったのか。実は自分でもよくわかってませんでした。

基本的には棋士側が勝つ対局を観たい、それは最初から今現在に至るまでブレることはありません。

しかし、それが全てというわけでもなかったような気もします。

どの対局が好きだったのか、それを考えると自分が観たかった形が見えてくるかもしれません。

私が特に好きな電王戦の対局は下の4局。

1.第1回電王戦(米長永世棋聖vsボンクラーズ)
2.第2回電王戦第4局(塚田九段vsPuellaα)
3.第3回電王戦第3局(豊島七段vsYSS)
4.電王戦FINAL第2局(永瀬六段vsSelene)


棋士の勝利、それがビッグポイントになることは間違い有りませんが、それが評価値「∞」というわけでもなかったようです。

例えば、リオオリンピックで好きな試合を聞かれた時、金メダルを獲った試合が高評価になるのは間違いないですが、卓球女子団体(銅)や陸上男子400Mリレー(銀)を一番に挙げる人も多いと思います。

選手達の努力を事前に知らされていたかどうかも、影響すると思います。

また、初めてのことが印象に残りやすい気もします。

以前、アンケートを実施した時、第2回電王戦が最も人気がありました。

第3局以外は全部初めてのことがありました。初勝利(第1局)、現役棋士の初めての敗戦(第2局)、初引き分け(第4局)、A級棋士の初めての敗戦(第5局)です。

第2回電王戦を最も好きだと答えた方の理由は様々ですが、アンケート結果とは別に初めてのことが多かったのは事実。

上で私は第1回電王戦を選んでいますが、初めての電王戦であった要因は大きいです。

第2回電王戦第4局はもう駄目だと思わせて、必殺技(入玉)を成功させ、活路を見出したあの執念。

ぶっちゃけ、コンピュータの方が強いのは百も承知でしたが、勝負師の根性が運命を変えたあの瞬間、あれこそが観たかったもののひとつでした。

漫画「あしたのジョー」の少年院時代の対力石戦、倒されても倒されても立ち上がり、最後は必殺技で引き分けに持ち込むあの名シーンと共通するものがありました。

第3回電王戦第3局は、あの段階で将来の看板棋士が出てきたのは衝撃でした。そして、相手は有名なコンピュータ将棋。対局直前の私は、もう人間は勝てないのだろうと思っていたのですが、その勘違いを天才棋士が見事に粉砕してくれました。

なお、電王戦でよく「人間とコンピュータの共存共栄」とか言ってますが、山下氏のプログラムはもう20年以上、多くの将棋ファンの良き練習相手として、共存共栄を果たしてきました。

電王戦FINAL第2局は、優勢になる前に研究手順から外れて、人間が勝った対局は永瀬六段だけです。あの対局は本当にすごかったです。

将棋のイメージ

さて、今述べた以外に、上記の4局には共通項があります。

それは、対局盤面にプロ側のコンピュータ対策が現れていたことです。

第1回電王戦 → 2手目△6二銀から盛り上がっていく駒組み
第2回電王戦第4局 → 相手が入玉に弱いことを見越した構想
第3回電王戦第3局 → 実はプロ側に分があった横歩取り
電王戦FINAL第2局 → 角不成

もし、プロ側が何も対策することなく、それでもコンピュータに勝てるのであれば、それが一番カッコ良いです。

しかし、プロ側が何も対策することなく、コンピュータに負けるのであれば、それは一番カッコ悪いです。何故ならそれは、わざわざプロに頼まなくても、私でも出来ることだからです。

かと言って、前者は、奇跡が起こらないと難しそうです。

電王戦はプロ側が有利以上の局面を築かないと、盛り上がらないと思います。

電王戦のプレイベントになっている「勝てたら○万円」も、人間側の評価値が1000でも行こうものなら、めちゃくちゃ盛り上がります。その時は大抵、人間側からの秘策がありました。「香得定跡」「28角打たせ」「横歩取り」など。

私は以前、最も好きな電王戦を電王戦FINALと書きましたが、そう言えば、全5局にプロ側のコンピュータ対策が盤上に現れていました。

なんにしても、私の場合、電王戦で期待しているものは、勝てないという事実を見せる実験結果ではなく、勝てないものに勝とうとする根性のような気がします。

なお、以上は私一人がそう考えているだけのことです。

徒然なるままに、書き綴ってみました。





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コメント
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もし今回の挑戦者がタイトルホルダーだったら、対策する時間もなさそうだな。

2016-11-12 18:51 │ from - Edit

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