石田流を指しこなす本【持久戦編と新しい動き】(書評) - 将棋のブログ

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石田流を指しこなす本【持久戦編と新しい動き】(書評)


阪田の満足度:90%

この本は石田流を覚えたい人、石田流に興味がある人にとってはきっと良書になると思います。

実戦に出てきそうな局面が練習問題としてたくさん掲載されており、自分なりに次の一手を考えた後、振り飛車党の攻め将棋で有名な戸辺七段の解答解説で訂正することができるため、頭を使いながら序盤及び中盤の感覚を正しく改善していくことが出来るのです。

本の構成は次の一手形式の定跡書で、右のページだけを読み進め、最後まで読んだら本をひっくり返して再び右のページだけを読み進める例のタイプ。

主な内容は

第1章 5三銀型への攻め(P1~)
第2章 7七角型からの速攻(P36~)
第3章 本組みからの仕掛け(P60~)
第4章 持久戦になった場合(P107~)
第5章 一直線穴熊への動き(P135~)
第6章 4手目△1四歩(P160~)
第7章 新しい動き(P187~P219)

となっており、第5章までは本組み(▲7六飛+▲7七桂+▲9七角)vs 穴熊or左美濃or銀冠と、7七角型(▲7六飛+▲7七角)vs 穴熊が解説されているのですが、どれも堅く組まれる前に動く方針で、仕掛けのパターンも数種類しかなくてわかりやすいです。

ただし、仕掛けのパターンは居飛車の飛車の位置(8二or8四)と右銀の位置(6三or5四)で成功するパターンが変わるため、どれを選択するのかが難しいのですが、これでもかというくらいにたくさんの練習問題があるため、何回も繰り返して読んでいるとコツがつかめてきます。

考えてみると、この本を読むことはプロの詳しい解説付きで棋譜並べをやっているようなものですから、石田流の技術が向上するのは当然のことではあります。

第1章で△5三銀型の穴熊を扱っているのも良いです。確かに石田三間に対しては△6三銀型が多いのですが、△5三銀型をやる人も居ることは居るので、その解説があるに越したことはありません。

第6章と第7章は他とは別の特殊な形になるのですが、第6章の「4手目△1四歩」というのは、最近流行っている石田対策らしく、確かに先日の女流名人戦や女流王位戦で上田女流や伊藤女流が里見女流を相手にやっているのを見ました。

第7章はプロ間で石田流の7七角型が左美濃を相手にする際は行き詰まり感を漂わせていたところ、宮本流と呼ばれる序盤早々右辺から動く、藤井システムのようなやり方が現れて打開したらしく、その順について少しばかり触れています。普通のアマがそれを使うのは難しいと思いますが、知っておいて損のない知識です。

私は戸辺七段の前著「石田流を指しこなす本【急戦編】」が石田流を覚える際の最高の良書だと思っていましたが、こちらの【持久戦と新しい動き】はそれに優るとも劣らない良書でした。

四段以下の人が2冊を繰り返して読めば、石田流の序盤・中盤はきっとレベルアップすると思います。石田流の考え方や石田流での攻め方が、出てきそうな局面とともにたくさん書かれているからです。加えて、自分で考えながら読むので、記憶に残りやすいのです。

また、持久戦とは言っても、居飛車に堅くされる前に動くので、50手先の絶対現れないような局面での仕掛けが解説されているわけではなく、多くは普通のアマ同士の対局でも現れそうな局面での仕掛けが解説されています。

難易度は序盤が下手な私でも、すぐに序盤力向上を実感できたほどで、将棋倶楽部24の10級くらいの棋力があれば充分読めると思います。

もちろん、私は1回読んで理解できるような天才ではないので、2回、3回と繰り返して読みましたし、これからも何度も繰り返して読むと思います。

石田流を覚えてみようと思っている人や、石田流をやってみたけど上手くいかなかった人、そういう人にはこの本と前作【急戦編】が効果を発揮するかもしれません。

(私の棋力→将棋倶楽部24の二段、クエストの三段 最高2000台)

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