魂の七番勝負(藤井九段vs佐々木五段)の感想 - 将棋のブログ

将棋のブログ ホーム » プロ将棋 » 魂の七番勝負(藤井九段vs佐々木五段)の感想

魂の七番勝負(藤井九段vs佐々木五段)の感想

10月8日に放映された魂の七番勝負第2局(藤井猛九段vs佐々木勇気五段)は、83手で佐々木勇気九段が勝ちました。

第3局は行方尚史八段vs藤井聡太四段で10月14日(土)19時からの放送。


<感想>
藤井九段は、居飛車穴熊が猛威を振るい、振り飛車を絶滅の危機に追い込んでいた頃に、藤井システムを編み出して四間飛車で竜王を獲得した振り飛車の救世主。

その著書「四間飛車を指しこなす本」が良書であったことも拍車をかけたのか、2000年頃、将棋倶楽部24では級位の間でも四間飛車だらけだったのを思い出します。

ここ10年くらいの間に将棋を始めた人は想像つかないかもしれませんが、そういう時代がありました。私も四間飛車に悩まされ、「四間飛車を指しこなす本」全3巻を購入したのを覚えてます。

当時は、振り飛車と言えば四間飛車で、他のは本当にレアでした。

対する佐々木五段は藤井四段の連勝記録を止めたことで有名。その前から、棋戦の挑戦者争いにその名を連ねていて、将棋ファンの間ではその実力は周知されていたと思います。16歳1ヶ月でのプロ入りは、史上6番目の年少記録。

さて、佐々木五段先手で始まった本局、後手の藤井九段が選んだ戦型は四間飛車藤井システム。

先手番でも後手番でも藤井システムをやるつもりだったらしく、ファンが観たいものを選ぶところが、本当にプロだと思います。

対する佐々木五段は右銀を斜め棒銀の形で繰り出し、▲2四歩の突き捨てから33手▲2三歩と垂らした新手が本局最大のポイント。

実戦でその手を初めて指されたという藤井九段は、その対応に時間を削られ、流れは徐々に佐々木五段のペースになりました。

その後、急戦調の将棋から第二次駒組みが始まる将棋になりましたが、中盤以降は形勢も残り時間も佐々木五段が有利に進めていたと思います。

その状況で、藤井九段がひねり出してきた62手△4四桂は、ひと目では大盤解説のプロも狙い筋がわからなかった勝負手。善悪はともかく、その発想は絶賛されていました。

しかし、厳しく正確に対応し、優勢になっていく佐々木五段。

藤井九段がガジガジ流で豪快に攻め込むも、佐々木五段は攻め合いを選択し、藤井九段が76手△4八馬と飛車金両取りの形を作るも、大盤解説は佐々木五段勝勢ムード。

以降は大盤解説の通りに指し手が進み、83手▲4二金打を見た藤井九段が勝ち筋なしと判断して対局終了。

対局後に藤井九段が二世代下の人は何を指してくるか予測がつかない旨を話していたのが印象的でした。その言葉と本局の内容が妙に合致しており、将棋に関するいろいろなヒントがその言葉の中に有ったように思います。


<コンピュータの形勢判断>
魂の七番勝負第2局 形勢評価グラフ
※青色は激指定跡道場4七段+、赤色はelmo
※コンピュータの判断が正しいわけではありません。

関連記事
コメント
非公開コメント

No title

①藤井九段は胡蝶蘭の品種改良のように美しい戦法をますます模索しているように思う。他方、羽生先生の感想戦から多くの花を咲かした探求心は衰えていないと感じられる。両先生の花壇にはまだまだ球根が埋まっているようで楽しみに思う。藤井四段は「乗り越えるべき壁」と評し、メディアは「世代交代」と騒いでいるが、棋士は全てを一直線では論じられない多様性の縮図だから、今国民は注目している。どんな開花と成長が見れるかを期待するのに年齢や性別は関係ない。
②多様性の人材を育てる環境として、藤井四段の進学にファンは注目している。棋士に役立つ書道を選択すれば美術はしなくて済む。英語やフランス語は将来の日本文化の普及に役立つからゆとりがあれば受講する程度で。宿題は評定で推薦してほしい学生は頑張った方が良いが、実力で試験を受ける学生は独学です。名古屋大学は優れた研究者を輩出しているので、棋士の気持ちもわかるはず。将棋も孤独な探求で、みんなと同じことをしていてはつぶれます。
③中京地帯に将棋会館をお願いします。強い棋士も出てきていますし、子供たちも東京や大阪の奨励会では負担が多い。トヨタあたりがスポンサーになったら、徳川家康もあの世で喜ぶのでは。
④江戸時代の「連」は士農工商の別なく交流した文化システムです。21世紀は将棋から多様性な人材を育む柔軟なシステムに学校も地域も改変することを祈っています。
(以上は公開しないで、連盟や藤井四段の関係者にだけお伝えください。)

2017-10-10 10:52 │ from -

トラックバック

http://shogikisho.blog54.fc2.com/tb.php/5178-78fc3279

将棋ニュース

新刊案内(amazon)


11月27日 よろこんでいきる まいにちひふみん
11月15日 相振り飛車で勝つための18の心得 (マイナビ将棋BOOKS)
11月15日 これだけで勝てる 角交換振り飛車のコツ (マイナビ将棋BOOKS)
11月11日 すぐに覚えられる特製将棋付 頭がよくなる詰将棋ドリル
11月09日 天才棋士 加藤一二三 挑み続ける人生
11月02日 将棋世界 2017年12月号
10月27日 花まる学習会式 スタート将棋BOOK (バラエティ)
10月25日 菅井ノート 相振り編
10月25日 定跡無用の突進戦法 野獣流攻める矢倉&右四間飛車 (マイナビ将棋文庫)
10月20日 豊川孝弘の将棋オヤジギャグ大全集
10月17日 これが決定版! 相中飛車徹底ガイド (マイナビ将棋BOOKS)
10月17日 三間飛車新時代 (マイナビ将棋BOOKS)
10月16日 NHK将棋講座 2017年11月号 [雑誌] (NHKテキスト)
10月12日 棋力判定テスト (将棋パワーアップシリーズ)
10月11日 天彦流 中盤戦術―「局面の推移」と「形勢」で読みとく (NHK将棋シリーズ)
10月06日 藤井聡太 天才はいかに生まれたか (NHK出版新書 532)
10月03日 将棋ワンダーランド: ぴあムック
10月03日 将棋世界 2017年11月号
09月30日 はじめての こども将棋ドリル (6週間で基本をマスター!)
09月29日 3月のライオン 13 (ヤングアニマルコミックス)
09月29日 天才 藤井聡太
09月29日 [新装版]ひふみんの将棋入門
09月27日 中学生プロ棋士列伝
09月25日 大内延介名局集 (プレミアムブックス版)
09月25日 「次の一手」で覚える 将棋・終盤の手筋436 (マイナビ将棋文庫)
09月25日 中原VS米長全局集
09月21日 完全版 看寿賞作品集 ※Kindle版
09月15日 NHK将棋講座 2017年10月号 [雑誌] (NHKテキスト)
09月14日 1冊で全てわかる 角交換四間飛車 その狙いと対策 (マイナビ将棋BOOKS)
09月14日 規格外の新戦法 矢倉左美濃急戦 最新編 (マイナビ将棋BOOKS)
09月08日 中学生棋士 (角川新書)
09月01日 羽生善治の将棋「次の一手」150題
09月01日 将棋世界 2017年 10 月号 [雑誌]

応援してくださる将棋サイト

将棋のブログの人気記事


ブログパーツ