第68回NHK杯(松尾八段vs上野五段)の感想 - 将棋のブログ

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第68回NHK杯(松尾八段vs上野五段)の感想

5月6日に第68回NHK杯1回戦(松尾歩八段vs上野裕和五段)が放送されました。

棋譜は下記の公式サイトでご覧ください。(※毎週月曜日に更新されています)

NHK杯テレビ将棋トーナメント


<感想>
松尾八段と聞いてすぐに思い浮かぶのは松尾流穴熊。私くらいの棋力の者の間でも、使う人が多い、堅くて強い人気の囲い。

松尾流穴熊

上野五段と聞いてすぐに思い浮かぶのは「将棋・序盤完全ガイド」という将棋の本。かなりの良書らしいです。

さて、本局は上野五段が先手で角換わりになりました。

お互いが馬を作り合って形勢不明の局面が続いていたのですが、上野五段が53手で5~8回目の考慮時間を使って▲3六歩打と銀取り。感想戦の時に、迷ってもらおうと思って打った旨を話していました。

それに対し、松尾八段は7回目・8回目の考慮時間を使うと、決断した一手は銀取りを受けずに相手の馬の帰還を阻む54手△3三桂!これには解説の飯島七段も「すごい手が出ましたね」と驚きの様子。

先手が▲3五歩と銀を取れば、△6六桂打で一気に寄せを目指そうとする仕組み。

局面の方はいい勝負になっていて、飯島七段の形勢判断も58手△48との時には「松尾さんが少しリードを奪った気がしますね」、63手▲2一馬の時には「やっぱり、いい勝負かもしれませんね」と微妙にブレていました(笑)いい勝負だったのだろうと思います。

上野五段の67手▲3二馬と切った手(金と交換)が、飯島七段も「終局、近くなってきましたね」と解説した、勝負に出た決断の一手。

そして、73手▲6六金の局面では、飯島七段が先手玉の詰みを指摘していました。

しかし、将棋というのは相手の棋力をリスペクトしていると、急に勝ちになったと判断することはプロでも難しいことらしく、松尾八段も即詰みの順(13手詰 by激指定跡道場4)を選びませんでした。同じようなことは早指し棋戦だと時々見ます。

それでも、74手△5八と~76手△6九角と縛って、松尾八段の勝利は揺るぎませんでした。以降は80手△5七とからの17手詰め(by激指定跡道場4)を読み切った松尾八段が84手で勝利。

銀取りに構わず、54手△3三桂が印象的な一局だったと思います。

次週は出場棋士ただ一人の女性、加藤女王が登場します。(相手は及川拓馬六段、解説は永瀬七段)

全将棋ファン必見!


<コンピュータの形勢判断>
第68回NHK杯1回戦第6局 形勢評価グラフ
※今回から評価値の上限を±3000に変更しました。
※青色は激指定跡道場4、赤色は平成将棋合戦ぽんぽこ
※コンピュータの判断が正しいわけではありません。


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コメント
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26手目松尾の6五桂

悪手ではないの?
同銀、同歩、5四桂以下攻めが続きませんか?

2018-05-07 17:24 │ from ヘボ

Re:26手目松尾の6五桂

結構強いんじゃないですか?

6五桂はコンピュータ(ぽんぽこ)も最善手か次善手に挙げる手なので「悪手」ではないのだろうと思いますが、事前研究がなければ同銀で技が決まった感じで、その後の後手陣をまとめるのは大変そうで、私も先手が有利に見えます。

2018-05-07 18:41 │ from 阪田

うれしい お言葉ありがとうございます

同様の筋ですが、33手目の2五桂では
6五銀として、次に同歩なら6四角と打つのはどうでしょう?

2018-05-07 18:52 │ from ヘボ

うれしい お言葉ありがとうございます

同様の筋ですが、33手目の2五桂では
6五銀として、次に同歩なら6四角と打つのはどうでしょう?

2018-05-07 18:52 │ from ヘボ

Re:うれしい お言葉ありがとうございます

今度のは8一飛と引けば、▲5四桂△5二玉▲6二桂成△同金で、先手は銀桂が捌けて駒の損得もなく、先手は手持ちだった角がそれほど良い場所でないところに移動していて、後手が悪い局面には見えませんが、いかがでしょう?

2018-05-07 20:57 │ from 阪田

No title

コンピュータ(ぽんぽこ)も後手持ちですか?

8一飛と引けば、▲5四桂△5二玉▲6二桂成△同金で,
7七桂、3六歩、4五桂、3七歩成、2九飛。
ここで3三の銀取りが残っているし、
次の8ニ銀狙いはどうでしょう?

2018-05-08 11:28 │ from ヘボ

No title

3七歩成、2九飛以下は4七角で駄目ですね。
8ニ銀は、馬鹿手ですよね。
5一飛くらいで何でもないか。
後手指しやすいが正解か。

2018-05-08 11:42 │ from ヘボ

Re:

ぽんぽこは△同金までの局面を評価値-700前後で後手有利と判断しているようです。

その後、▲7七桂なら確かに私も桂頭狙いの△3六歩打が第一感なのですが、桂馬を4五に跳ねさせることと、次のと金作りとの交換は先後のどちらが得をしているのかは、非常に悩ましいところでもあります。

コンピュータは▲7七桂に対しては△7二桂打や△6三銀打など6四の角を僻地に追いやる順を考えていて、それで後手優勢(評価値1100前後)と判断しています。

それにしても「馬鹿銀」とは米長先生と同じ表現ですね。

2018-05-08 20:32 │ from 阪田

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