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第68回NHK杯(斎藤七段vs杉本四段)の感想

5月20日に第68回NHK杯1回戦(斎藤慎太郎七段vs杉本和陽四段)が放送されました。

棋譜は下記の公式サイトでご覧ください。(※毎週月曜日に更新されています)

NHK杯テレビ将棋トーナメント


<感想>
若い棋士同士の対局。

斎藤七段は電王戦FINALの先棒として、将棋ソフトAperyに勝ったことは有名。その前から、C2を一期抜けしたこともあり注目されていました。昨年は棋聖戦五番勝負で羽生棋聖にも挑戦した、強い若手棋士の一人。

杉本四段は昨年4月にプロ入りした新鋭棋士。基本は振り飛車らしいですが、相手が振り飛車だと居飛車にする「対抗形党」らしいです。昔、先手なら居飛車、後手なら振り飛車という人も居ましたが、それとは別のユニークな棋風。

杉本四段は米長永世棋聖門下で、その関係からか、本局の解説は中川八段でした。杉本四段よりの解説であることが伝わってきて、おもしろかったです。

さて、本局は杉本四段が先手で杉本四段がノーマル三間飛車。対する斎藤七段は居飛車穴熊。

中川八段も解説していたように、角道を止める振り飛車に対しては居飛車穴熊が決定版で、杉本四段がそれをどう打破していくのかが見どころの一つとなりました。

仕掛けが始まった中盤の40手から両対局者が考慮時間を使い始め、61手の局面で両者の残り時間は、杉本四段が考慮時間1回を残すのみ。この戦型は中盤が大事なのだろうと思いながら観てました。

斎藤七段の62手△5一歩打は、まだ先手の飛車が後手陣で暴れる前に先受けしておくおもしろい一手。一局を通して、この対局は斎藤七段の受けの技術が目立っていました。

ところで、上に中盤と書きましたが、この対局は中盤が異常に長く、今思えば上述の仕掛けの局面はまだ序盤だったのかもしれません。

形勢の方は66手の両者の駒が成り込む直前の段階では振り飛車(杉本四段)ペースと解説されていて、そのまま穴熊に食いつき、終盤戦になったと思っていたのですが、そこからの斎藤七段の自陣の修復力はすさまじく、112手の局面を観ればわかるのですが、斎藤七段の飛車馬金銀桂香歩のほとんど全ての駒が自玉を守り、それを攻略しろと言われても、気が遠くなり倒れたくなるような恐ろしい状況。

そして、122手の局面では「居飛車がよくなっている」旨が解説されていましたし、その局面の後手玉は攻略不能にしか見えず、そのまま斎藤七段が勝つのだろうと思って見てました。

その状況からなんと、杉本四段が再び後手玉を寄せそうになっていたのですが、それも切らされていました。(141手~169手)

そこから斎藤七段の反撃が始まると、さすがに終局も近いと思っていたのですが、またまた杉本四段のカウンターで本局三度目の後手玉への寄せが開始。

185手で杉本四段が▲6四角と王手を掛けると、ここからが詰むや詰まざるやがはじまる本局のクライマックス。

斎藤七段は△3二玉と逃げるのですが、その手を見た解説の中川八段は「うわっ、これは、すごい、手、だなー」と、何かを閃くプロの直感。機械によると、その瞬間は即詰み。

詰まさなければ負けは明白で、王手を掛け続ける杉本四段。

190手の局面でも中川八段が「しかし、これは、これはですよ」とやはり即詰みを直感。

しかし、具体的な手順を30秒で見つけるのは難しかったようで、斎藤七段の192手△3四歩打で後手玉の即詰みは消えました。

杉本四段の王手が途絶えると、以降は手数こそ伸びましたが、先手玉への詰めろと王手のラッシュが続き、218手で斎藤七段の勝利。

モニタに移る杉本四段の表情が、勝つ寸前だったことを何よりも物語っていて、印象的でした。

長文になったのは、盤上で起こっていたドラマが通常の2局分くらいのボリュームだったからです。

戦型も、二転三転した終盤もおもしろい一局だったと思います。


<コンピュータの形勢判断>
第68回NHK杯1回戦第8局 形勢評価グラフ
※青色は激指定跡道場4七段+、赤色はGPS将棋
※コンピュータの判断が正しいわけではありません。

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コメント
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165手目の3三角成り

ここでは中川八段が1五香で先手勝ちといってましたが、
これでこの将棋は終わっていたのでは?
本譜は手順前後。

2018-05-22 09:58 │ from ヘボ

実は167手目2ニ金

ここで何故2二角と、打たないのか理解に時間がかかりました。
そこからやっと、角を渡すのが早かったことに気付いた次第です。

2018-05-22 10:06 │ from ヘボ

1五香

1五香~2二角を自力で見つけられるというのは、結構巧いんだろうなと思います。

1五香は同香だと必至になりますが、4四桂や3二飛で先手有利ながらも粘れると激指さんが言ってます(汗)

2018-05-22 12:52 │ from 阪田

1五香には4四桂ですか?

杉本が金取りを急いだ理由は4四桂ですか。
小さい文字の判読が厳しい私ですが
先手有利ながらも枯れる?とはどういう意味だろう。
よく見たら、後手に粘られるですね。
確かに、まだまだ先がありそうですね。
「これでこの将棋は終わっていたのでは?」・・・生意気な発言でした。

2018-05-22 14:40 │ from ヘボ

3二飛も

あらためて見ると、3二飛も嫌だな。

2018-05-22 14:58 │ from ヘボ

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