第68回NHK杯(永瀬七段vs高野四段)の感想 - 将棋のブログ

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第68回NHK杯(永瀬七段vs高野四段)の感想

6月3日に第68回NHK杯1回戦(永瀬拓矢七段vs高野智史四段)が放送されました。

棋譜は下記の公式サイトでご覧ください。(※毎週月曜日に更新されています)

NHK杯テレビ将棋トーナメント


<感想>
今年2月・3月に棋王戦五番勝負の挑戦者だった永瀬七段と、新鋭棋士 高野四段との対局。高野四段の師匠は木村一基九段で、その関係からか、本局の解説は木村九段でした。

さて、本局の戦型は永瀬七段が先手で相掛かりでした。

両者が歩を突き捨てて、攻めの主導権を握ろうとする中盤戦。先に主導権を握ったのは永瀬七段。

序盤は両者の着手が比較的速かったのですが、永瀬七段の49手▲5六角打を見て、高野四段が1~6回目の考慮時間を使う少考。

62手で高野四段が8回目(△3三銀)の考慮時間を使ったのに対し、永瀬七段は63手が飛車を切る決断の一手だったのですが、そこでようやく最初の持ち時間10分を使い切る指し手の速さ。

局面も永瀬七段の方が攻勢で、中盤はどうやら永瀬七段ペース。

しかし高野四段も自玉付近を攻められているさなか、66手△9六歩と反撃。これには解説の木村九段も「え゛、あ゛、あ゛、すごい」と驚きを隠せない様子。

永瀬七段も負けじと71手▲8五桂のタダ捨てを見せると、木村九段はそこでも「おーーー」と驚きのリアクション。

▲8五桂のタダ捨ては次の▲8六歩で、狙われていた8七の地点への攻撃を緩和する狙いらしいのですが、並みの人では浮かばない高等テクニック。

その後、77手(▲7七同金)から永瀬七段が考慮時間を使いだす展開になったのですが、その対局前半とは違う時間の使い方が如何にも受けに窮している感じで、勝負の流れは高野四段の追い上げムード。

そして永瀬七段の79手▲4七銀が防戦一方の先手側としては辛い一手らしく、その一手を見て木村九段の形勢判断は高野四段良し。(コンピュータも一致)


その後の永瀬七段の85手▲5二金打から91手▲4二飛までの手順は、後手玉を危険にする巧い順にも見えたのですが、その局面で後手玉に詰みはなく、以前として残る先手玉の詰めろ。

そこから、先手の駒台に乗っていた唯一の金駒を、93手4八金打と受けに使わされている様は、どうやら素人目にも高野四段勝勢。

以降は、さすがに受けに定評がある永瀬七段(ニックネームは軍曹)といえ、あの局面をプロ相手に凌ぐのは不可能に近く、最後は即詰みとなり、114手で高野四段の勝利。

79手▲4七銀から目に見えて形勢が高野四段に傾いていったのですが、恐らくは次の高野四段の80手△9七歩成が勝着。

将棋ではあまり「勝着」という言葉を聞かないのですが、80手△9七歩成を指した直後、即座に着手したことに、師匠の木村九段が説教をしないといけない旨を話していたのですが、しばらくするとその手を好手と認め、実は自分が説教をされないといけないと冗談を飛ばしていました。

勝ちを宣言した、機敏な一着だったのだと思います。

将棋界屈指の強豪に勝利した弟子の姿に、木村九段が嬉しそうでした。とてもおもしろかったです。


<コンピュータの形勢判断>
第68回NHK杯1回戦第10局 形勢評価グラフ
※青色は激指定跡道場4七段+、赤色はGPS将棋
※コンピュータの判断が正しいわけではありません。


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