美濃崩し200(書評) - 将棋のブログ

将棋のブログ ホーム » 寄せ・凌ぎ・手筋 » 美濃崩し200(書評)

美濃崩し200(書評)


対象棋力:将棋倶楽部24の6級~四段
阪田大吉の満足度:90%


美濃崩し200」は「美濃崩し180」というネットオークションでその中古本がその定価の4倍も5倍もの価格で売りさばかれていた名作のリメイク版です。
「美濃崩し180」は高橋書店という出版社から発売されていたのですが、あまりにも名作でその復刊を期待する将棋ファンの期待に応えた形で、出版社の垣根を越えて浅川書房から「美濃崩し200」とリメイクされた形で登場しました。

この本の優れている点は「基本から応用までの出題」「200題のボリューム」「解説が素晴らしい」といった辺りではないでしょうか。

私は金子タカシさん(元アマ竜王)が書いた名作「寄せの手筋200」や、この「美濃崩し200」は優れた数学の問題集と類似点が多いように思います。

具体的にははじめは簡単な基本問題が登場し、徐々にそれらの基本手筋を駆使することによって解くことができる難しい問題が登場してきます。気が付いた時には難しい問題が解けるように上達している、という流れです。このあたりさすが学問を究めた元東大生が作った作品だなと感心する次第です。

出題されている問題図は全て美濃崩しの手筋を題材にしたものばかりです。「片美濃」「本美濃」「高美濃」「銀冠」「木村美濃」「金美濃」に分けられて、その攻略の仕方が200題という大ボリュームで詳細に解説されています。解説されていると言っても出題形式なので、楽しく解いているうちに棋力が向上する作りになっているのが特徴です。

問題のほとんどが部分図なのですが実戦で現れる形ばかりです。美濃崩しについて解説された本の中では現在最も優れた本であることを断定できます。

強調しておきたい点は、早指しならプロ並の棋力を持つ「激指7」が見つけられないような鋭い手筋がたくさん書かれてあることです。(記事最後のリンク先でその一部を紹介しています。)

問題の答えのほとんどは即詰みや必至ではありません。寄り筋を問う問題がほとんどです。そのため三~四段の棋力がなければ、答えはわかってもその後の主要な変化を読みきるのは難しいという問題が多いかもしれません。しかしこの本の問題解説には「こんな受けや攻め筋があるのか!」と感心するような変化手順がたくさん書かれてあります。将棋倶楽部24で二段以下の方には、解説もじっくり読んで棋力向上に役立ててほしいところです。

問題の難度については簡単な問題も結構あるのですが、全体的なレベルは「寄せの手筋200」より上です。将棋倶楽部24の5~6級以上向け、町道場初段以上向けと思います。参考までに将棋倶楽部24で初段の私が最初に解いた時、解説に書かれてあることまで理解したうえで正解できた問題は半分弱でした。

名作「寄せの手筋200」よりもこの「美濃崩し200」の方が好きだという方も少なくないはずです。私もどちらが良いのかと尋ねられるとかなり悩みます。「美濃崩し180」を持ってない人で将棋倶楽部24で5級~三段の方なら「買い」です。

なお「美濃崩し180」に有り「美濃崩し200」に無い問題は、屋敷伸之九段の実戦からの出題3問だけです。残りの問題は全て「美濃崩し200」に収録されてありました。

各章の詳しい感想につきましては下記のリンク先を御覧下さい!


美濃崩し200 の第1章「片美濃崩し」を解きました!

美濃崩し200の第2章「本美濃崩し」を解いてみた

美濃崩し200の第3章「高美濃崩し」を解いてみた

美濃崩し200の第4章「銀冠崩し」を解いてみた

美濃崩し200の第5章「木村美濃・金美濃崩し」を解いてみた

美濃崩し200の第6章「トドメのテクニック」を解いてみた

美濃崩し200の第7章「定跡テクニック」を解いてみた




<目 次>
第1章 片美濃崩し──部分テクニック1
第2章 本美濃崩し──部分テクニック2
第3章 高美濃崩し──部分テクニック3
第4章 銀 冠崩し──部分テクニック4
第5章 木村美濃と金美濃──部分テクニック5
第6章 トドメのテクニック
第7章 定跡テクニック
関連記事

コメント
非公開コメント

No title

個人的には「穴熊崩し200」を誰かに作ってほしいですね。元になる本がないので大変かもしれませんが、需要はあると思います。

この本に不満があるとすれば、「天守閣美濃」がないことくらいです。

2011-01-27 23:49 │ from promethe

Re: No title

prometheさん、以前、宮田敦史五段が、それに通じる問題集を将棋世界の付録で出してましたね^^
そういえば、天守閣美濃がなかったですね。なぜだろう?と今さらながら思います^^;

2011-01-28 00:18 │ from 阪田大吉 Edit

やっぱり別格ですね。

大吉さん、おはようございます。
やっぱり美濃崩し200、いい本ですね。

前にも書きましたが、居飛車穴熊と矢倉が主戦法の
私は、この本で、かなり一手勝ちが増えました。
 美濃囲いを一挙につぶせるテクニックの数々、そして、
大吉さんも評価されている、詳細な解説など、
やはり、群を抜いていますよね、この本は。

 たまに、囲い崩しの棋本手筋(森内九段)や
 寄せの急所、囲いの急所(佐藤九段)も読みますが、
解説や実戦度合い、問題の量などが大分違います。
##そもそも、比較対象として不適切かも
 しれませんが。

 何度も読み返して、指が反応するまで、
繰り返してみようと思います。

2011-01-29 06:28 │ from habu-magic

Re: やっぱり別格ですね。

habu-magicさん、こんにちわ。
この本を何度も繰り返して読んだら、絶対に強くなりますよ。
この本を読んでいない、初・二段の人が
この本に書かれてある美濃崩しの手順を
実戦で披露されたら、絶対に慌てるでしょうね^^
ぼくも時々読み返したいと思っています^^!

2011-01-29 13:04 │ from 阪田大吉 Edit

トラックバック

http://shogikisho.blog54.fc2.com/tb.php/636-f33cb8cc

将棋ニュース

新刊案内(amazon)


03月22日 詰将棋パラダイス 3手詰傑作選 (マイナビ将棋文庫)
03月22日 「次の一手」で覚える 三間飛車定跡コレクション414 (マイナビ将棋文庫)
03月22日 振り飛車の新機軸! 初手▲7八飛戦法 (マイナビ将棋BOOKS)
03月13日 教養としての将棋 (講談社現代新書)
03月13日 勝ちやすさNo1! 対振りなんでも居飛車穴熊 (マイナビ将棋BOOKS)
03月13日 矢倉の新常識 (マイナビ将棋BOOKS)
03月01日 将棋世界2019年4月号
02月26日 将棋400年史 (マイナビ新書)
02月21日 「次の一手」で覚える 将棋 序・中盤の手筋436 レベルアップ編 (マイナビ将棋文庫)
02月21日 藤森式青野流 絶対退かない横歩取り (マイナビ将棋BOOKS)
02月16日 NHK将棋講座 2019年 03 月号 [雑誌]
02月14日 7手9手詰パラダイス 詰みと読みの力をつける210題 (マイナビ将棋文庫)
02月14日 将棋 平成新手白書 居飛車編 (マイナビ将棋BOOKS)
02月01日 将棋世界 2019年3月号
02月01日 初心者が初段になるための将棋学習法
01月31日 駒音高く
01月31日 詰将棋入門
01月30日 マンガでよくわかる将棋入門 (012ジュニア実用)
01月28日 必勝 三間飛車破り (マイナビ将棋BOOKS)
01月28日 絶品! 4×4マスの詰将棋 (マイナビ将棋文庫)
01月28日 戸辺流! こだわりのゴキゲン中飛車 (マイナビ将棋BOOKS)
01月28日 下町流三間飛車 (プレミアムブックス版)
01月28日 羽生善治×AI
01月23日 ひふみの言葉
01月16日 将棋・勝利の方程式 必至の極意 (マイナビ将棋BOOKS)
01月16日 「次の一手」で覚える 駒落ち定跡コレクション404 (マイナビ将棋文庫)
01月16日 盤上に散る (講談社文庫)
01月11日 羽生善治 (学習まんがスペシャル 小学館版)

応援してくださる将棋サイト

将棋のブログの人気記事


ブログパーツ